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レタッチのポイント 3/6


雲は飛行機と空を飛ぶお友達でバックではなく、フレームに占める存在感は飛行機より大きいです。 明るく白い雲の雲量が多いと機体は相対的に沈みやすい(暗くなる)のでプラス補正が必要です。レタッチのポイントは空と雲を活かすことです。

Step1.レベル補正 自然な見た目に
Step2.*露光量 機体などの明るさ、オフセットとガンマなどを補正
Step3.*シャドウ・ハイライト 露出補正やシャドウの自動補正を補完
注. *の処理は必要な場合のみ適用

過剰な補正 Step3.*シャドウ・ハイライトによる失敗例です。 青空、雲と飛行機を個別に見ると不自然ではありませんが、全体として見ると違和感があります。 原因はブラックポイントで、晴天の飛行機に必ずあるブラック(R0 G0 B0の黒い部分)が見当たりません。 写真の世界では浮いた絵(一部の航空ファンには飛行中の意)と言われるもので、過剰な補正やシャドウ・ハイライトの設定がシャドウのみでハイライト0(補正なし)だと発生しやすいので、オリジナルに戻って最初の処理からやり直します。

桜のシーズンには桜を入れて撮る機会もあるかと思います。 色彩が鮮やかな花は目立ちますが桜の色は淡く(特にソメイヨシノ)、陽当たりの良い青空でも色鮮やかに撮れるのは稀なので、レタッチのポイントは桜の花の自然な鮮やかさです。

Step1.レベル補正 自然な見た目に
Step2.*露光量 機体や桜などの明るさ、オフセットとガンマなどを補正
Step3.*シャドウ・ハイライト 露出補正やシャドウ(桜の幹や枝も)の自動補正を補完
Step4.*自然な彩度 自然な彩度を確保
Step5.*カラーバランス 自然なカラーバランスに補正
注. *の処理は必要な場合のみ適用

色の補正 Step5.*カラーバランスも処理した例です。 色の補正は難易度が高く理論的な数値を基準にして補正できません。 例えば桜の花だから赤みをより強くという発想でRのみプラスすると空や飛行機は不自然になるので、全てのチャンネル(RGB)を試行錯誤して相互に調整する必要があります。 カラーバランスには複数の正解(自分の眼にも)があるため、記憶色を頼りに数通り試作してから選ぶことをお勧めします。

空港 写真の世界ではスナップに分類されるシーンです。 機体断面はほぼ円形のためタクシングを始めると上部に予期せぬハイライト、下部に強いシャドウができることも珍しくありません。 このような特別塗装機ではデザインの描写も気になるので、レタッチのポイントは自然な色味です。

Step1.レベル補正 自然な見た目に
Step2.露光量 機体などの明るさ、オフセットとガンマなどを補正
Step3.*シャドウ・ハイライト 露出補正やシャドーの自動補正を補完
Step4.*自然な彩度 自然な彩度を確保
Step5.*カラーバランス 自然なカラーバランスに補正
注. *の処理は必要な場合のみ適用

過剰な補正 Step4.*自然な彩度による失敗例です。 自然な彩度で文字通りの自然な彩度のみ設定しても、設定値が過剰だと不自然になります。 飛行機に詳しくない人はこの機体の色味に不自然さを感じないかもしれませんが、実物は経年劣化で色褪せしています。 空港に興味がない人はエプロンや滑走路の色味にも不自然さは感じないと思います。

色の世界にはこのような難しさもありますが、見慣れた天然の物(滑走路周辺の雑草など)やシャドウ(後ろの白い機体)を良く見ると不自然だと分かります。 また、自動カラー補正で処理しても自然な色に補正されるとは限りませんStep4.*自然な彩度Step5.*カラーバランスは過剰な補正を避けて、記憶色同じ場所の写真などを参考に補正します。

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